新しいプロジェクトを作成しました。

(作成したページはまだ公開されていません)

作成したページを公開するためには、プロジェクトを公開する必要があります。
公開後は、ページを編集・削除することができなくなりますので、
必ず物語が完結した状態でプロジェクトを公開するようにしてください。

閉じる

 虫の死骸がある。


選択肢:骸

片方を失った羽は、風に従って微振動を繰り返す。
4本あったはずの足は、今、2本になった。
目は色を失い、窪んで
腹からは体液が流れだす。
体全体の体毛がしっかりと見えた。
さらさらと抜け落ち、粉のように舞っている。
無論、半開きの口は何も言わない。


選択肢:死

ふと耳の奥で不快な音が響いた。
首筋に軽い何かが触れた。
腕にはさらに数匹
足にも数匹
体全体のそれは、耳に向かう。
何かが目の側に寄る。
針金のような足が目を踏んだ。
無論、半開きの口は何も言えない。


選択肢:誰

誰かが死骸の前に立っている。
知らない人だ。
死骸をじっと見つめるその目は、緑色に輝く。
良く見ると親友に似ている。
目の色だけが違う。
無論、半開きの口からは涎が垂れる。


選択肢:口

死骸は何も言わぬ。
私は何も言えぬ。
友は涎を垂らす。

朽ちる虫は
伸ばされた手で掴まれ
羽を落とし、足を落とし、目を落とし、腹を落とし、体毛を落とし
頸だけを残し

友はゆっくりと口に含んで
咀嚼
音はしない。
虫が耳から溢れだす。
友がこちらを見る。
無論、死骸は無い。

この作品の詳細情報

死骸

死骸

→作品情報を見る

作成日:2014/07/14

作成者:くいな

総ページ数:0

閲覧数:8099

コメント数:0

24429ポイント

最初のページ